『フランダースの犬』原作小説のあらすじ!簡単に短く&詳しく

小説『フランダースの犬』のあらすじ あらすじ

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名作として何世代にも愛され続ける『フランダースの犬』のあらすじを簡単にご紹介していきますね。

この心に迫る物語は、イギリスの作家ウィーダによって19世紀に書かれた児童文学作品です。

私は読書が大好きで年間100冊以上の本を読みますが、『フランダースの犬』は何度読んでも心が揺さぶられる作品だと感じています。

この記事では短いあらすじから詳しいあらすじまで段階的に紹介し、読書感想文に役立つポイントもまとめていますので、学校の課題に取り組む皆さんのお役に立てると思いますよ。

『フランダースの犬』の短くて簡単なあらすじ

19世紀のベルギー・フランダース地方。貧しい少年ネロは祖父と愛犬パトラッシュと暮らしながら、画家になる夢を持っていた。村一番の金持ちの娘アロアと仲良くなるが、その父親に疎まれる。祖父の死や家賃滞納による追い出しなど不幸が重なり、クリスマスの夜、ネロとパトラッシュは聖母大聖堂で憧れのルーベンスの絵を見ながら静かに永遠の眠りについた。

『フランダースの犬』の中間の長さのあらすじ

19世紀のベルギー・フランダース地方に住む孤児の少年ネロは、祖父ジェハンと救った犬パトラッシュと共に牛乳配達の仕事をしながら貧しくも幸せに暮らしていた。絵を描くことを夢見るネロは村一番の金持ちの娘アロアと親しくなるが、その父コゼツに疎まれる。冬になり、風車小屋の火事の濡れ衣を着せられ、仕事も奪われ、優しい祖父も亡くなり、クリスマス前日には家から追い出されてしまう。絵のコンクールにも落選し、絶望したネロとパトラッシュは、大聖堂で念願のルーベンスの絵を見た後、寒さの中で息を引き取った。

『フランダースの犬』の詳しいあらすじ

19世紀、ベルギー北部のフランダース地方。15歳の少年ネロは、両親を亡くし寝たきりの祖父ジェハン・ダースと救った犬パトラッシュと共に牛乳配達の仕事をしながら暮らしていた。

絵を描くことが大好きなネロは、聖母大聖堂にある画家ルーベンスの祭壇画を一度見たいと願っていたが、観覧料が高く叶わずにいた。ネロの唯一の友達は風車小屋の娘アロアだったが、彼女の父親コゼツはネロを快く思わず、二人の交流を禁じようとする。

冬になり、ネロは風車小屋の火事の犯人に疑われ、新しい業者に仕事も奪われる。さらに優しかった祖父も亡くなり、クリスマス前日には家賃を滞納していた小屋からも追い出されてしまった。

その日は絵画コンクールの結果発表日でもあった。全てを賭けていたネロだったが落選し、絶望する。雪の中、ネロはパトラッシュが見つけた風車小屋の財布を届け、パトラッシュを託して雪の中へと消えた。ネロとパトラッシュは最期に大聖堂へと向かい、奇跡的に照らし出されたルーベンスの絵を見ながら、寒さの中で眠りについた。

『フランダースの犬』の概要

フランダースの犬』についての基本情報をまとめてみましょう。

項目 内容
作者 ウィーダ(マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー)
出版年 1872年
原作 英語タイトル「A Dog of Flanders」
ジャンル 児童文学・感動物語
主な舞台 ベルギー北部フランダース地方(アントワープ近郊)
時代背景 19世紀中頃
主なテーマ 友情・夢・貧困・芸術・社会の不平等
物語の特徴 少年と犬の純粋な絆・画家への夢・悲劇的な結末
対象年齢 10歳〜(児童向けだが大人も感動できる内容)

『フランダースの犬』の主要な登場人物とその簡単な説明

この感動的な『フランダースの犬』に登場する主な人物たちを紹介します。

それぞれのキャラクターがストーリーの中で重要な役割を果たしています。

人物名 説明
ネロ(ニコラス・ダース) 主人公の15歳の少年。両親を亡くし祖父と暮らす。絵を描くことが好きで画家になる夢を持っている。
パトラッシュ ネロの愛犬。金物屋にこき使われ捨てられたところをネロと祖父に救われる。賢く忠実な犬。
ジェハン・ダース ネロの祖父。寝たきりの老人だが、ネロを愛情深く育てる。
アロア コゼツの12歳の娘。ネロの唯一の友人で優しい少女。
バース・コゼツ 風車小屋の主人。村一番の金持ち。アロアの父親で、ネロを疎む。
エリーナ コゼツの妻でアロアの母親。ネロに理解を示すが夫には逆らえない。
ハンス 靴屋の主人でネロの家の大家。コゼツに頭が上がらない。
アニー コゼツの姪でアロアのいとこ。ネロの絵に意見する。
ミシェル老人 木こり。ネロが絵のコンクールに描いた人物。

これらの登場人物たちがそれぞれの立場や性格を通して、物語の感動的な展開を生み出しています。

『フランダースの犬』の文字数と読むのにかかる時間

『フランダースの犬』は短くて読みやすい本です。

読書感想文を書くためにどれくらいの時間がかかるか見ていきましょう。

項目 目安
総文字数 約41,200文字
ページ数 約69ページ(1ページ600文字計算)
読了時間 約82分(1分間に500字読む計算)
難易度 やさしい〜中程度(児童文学だが深いテーマを含む)

この本は短くても内容は深く、1日〜2日で読み終えることができます。

物語は簡潔ですが、感動や教訓が詰まっているので、読書感想文を書くための素材には十分な内容となっています。

『フランダースの犬』の読書感想文を書くうえで外せない3つの重要ポイント

『フランダースの犬』の読書感想文を書くときには、以下の3つのポイントを中心に考えるとまとまりやすいでしょう。

  • 愛と友情の尊さ
  • 夢を追い続ける勇気
  • 困難に立ち向かう姿勢

これらのポイントは『フランダースの犬』というストーリーの核心部分です。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

愛と友情の尊さ

『フランダースの犬』の最も重要なテーマは、ネロとパトラッシュの間の純粋な友情です。

パトラッシュは金物屋に酷使され捨てられたところを、ネロと祖父に救われました。その恩に報いるかのように、パトラッシュはネロの牛乳配達を手伝い、どんな時も寄り添います。

特に印象的なのは、最期の瞬間までネロのそばを離れなかったパトラッシュの姿。

ネロが大聖堂に向かった時も、パトラッシュは風車小屋を抜け出してネロを探し出しました。

また、アロアとネロの友情も大切な要素です。

身分の差を超えて心を通わせる二人の関係は、純粋な心と相手を思いやる気持ちの大切さを教えてくれます。

読書感想文では、これらの関係性から学べる「真の友情とは何か」「愛とは何か」について自分の考えを述べると良いでしょう。

『フランダースの犬』の夢を追い続ける勇気

ネロの画家になりたいという夢は、物語の重要な軸となっています。

貧しい生活の中でも、ネロは絵を描くことをあきらめません。

特に、アントワープの聖母大聖堂にあるルーベンスの絵画を一度見たいという願いは、彼の芸術への憧れを象徴しています。

絵画コンクールに出品した時の真剣な姿勢や、どんなに状況が厳しくなっても絵への情熱を失わなかった点からは、夢を持つことの大切さと、それを追い続ける勇気について考えさせられます。

読書感想文では、自分自身の夢や目標と比較しながら、「夢を持つことの意味」「目標に向かって努力することの価値」について考察すると良いでしょう。

『フランダースの犬』の困難に立ち向かう姿勢

ネロの人生には多くの試練が待ち受けていました。

両親を失い、貧しい暮らしの中で祖父と生きること、風車小屋の火事の濡れ衣を着せられること、仕事を奪われること、祖父の死、家からの追い出し、コンクールの落選など、次々と不幸が襲います。

しかし、ネロはそれでも前向きに生きようとします。

特に印象的なのは、最後まで他者への思いやりを忘れなかったこと。

雪の中で見つけた財布を持ち主に届けた行動は、どんな状況でも正しいことをしようとする彼の誠実さを表しています。

読書感想文では、ネロが直面した困難と、それに対する彼の姿勢から、「逆境の中でも希望を持つこと」「他者への思いやりを忘れないこと」の大切さについて考察すると良いでしょう。

※『フランダースの犬』を通して作者が伝えたいことは、以下の記事で考察しています。

『フランダースの犬』が伝えたいこと。大人こそ響く4つの教え
『フランダースの犬』が伝えたいことを物語の核心から解き明かします。純粋な魂の叫び、社会への問いかけ、芸術の持つ力など、名作に込められた普遍的なメッセージを徹底解説。作品の真の価値が見えてくる完全ガイド。

『フランダースの犬』の読書感想文の例(原稿用紙4枚/約1600文字)

私は今回、ウィーダ作の『フランダースの犬』を読んだ。正直に言うと、最初は児童文学だし簡単に読み終わるだろうと軽く考えていたが、読み進めるうちに何度も胸が締め付けられるような気持ちになり、最後は涙が止まらなくなった。この物語から学んだことを自分なりにまとめてみたい。

まず一番心に残ったのは、ネロとパトラッシュの純粋な友情だ。パトラッシュは金物屋から酷使され捨てられた犬だったが、ネロと祖父に救われてからは、いつもネロのそばで支え続けた。特に印象的だったのは、最後までネロを見捨てなかったことだ。人間でさえ見捨てるような状況でも、パトラッシュはネロのもとへ帰ってきた。この無条件の愛と忠誠は、現代の私たちが忘れがちな大切なものを教えてくれる。

友達関係も複雑になる中学生の私にとって、見返りを求めず相手を思いやる気持ちの大切さを改めて考えさせられた。LINEの既読スルーで傷ついたり、誰かと比べて落ち込んだりすることが多い毎日だが、もっと本質的なつながりを大切にしたいと思った。

次に感銘を受けたのは、ネロの「夢を追い続ける勇気」だ。ネロは貧しい暮らしの中でも、絵を描くことをやめなかった。アントワープの聖母大聖堂にあるルーベンスの絵を一目見たいという憧れは、彼の芸術への情熱を象徴している。絵画コンクールに落選しても、最後までその夢を諦めなかった強さに心を打たれた。

私も将来の夢はあるけれど、難しそうだからとか、周りの人に笑われそうだからとか、すぐに諦めてしまうことが多い。でもネロを見ていると、環境や周りの評価に左右されず、自分の心に正直に生きることの大切さを教えられた気がする。たとえ結果が出なくても、夢を持ち続ける過程自体に価値があるのかもしれない。

三つ目に心に響いたのは、ネロが困難に立ち向かう姿勢だ。両親を亡くし、貧しい暮らし、火事の濡れ衣、仕事の喪失、祖父の死、家からの追い出し、コンクールの落選と、ネロには次々と不幸が襲いかかる。それでも彼は前向きに生きようとした。特に雪の中で見つけた財布を持ち主に届けた行動は、どんな状況でも正しいことをしようとする誠実さを示している。

自分が不幸だからといって、他人を不幸にしたり、正しいことから目をそらしたりしなかったネロの姿は、本当の「強さ」とは何かを考えさせてくれる。私も学校でイヤなことがあると、家族に八つ当たりしてしまうことがある。でも、ネロを見習って、どんなときも他者への思いやりを忘れない人間になりたいと思った。

また、この物語を通じて社会の不平等や大人の身勝手さについても考えさせられた。コゼツのようにお金や権力がある人が、ネロのような貧しい人を見下す姿は、今の時代でも変わっていないように感じる。SNSでの炎上やいじめも、結局は弱い立場の人を踏みつけることで優越感を得たいという気持ちから来ているのではないだろうか。

一方で、アロアやその母親エリーナのように、立場を超えて相手を思いやる人々の存在も描かれている。私たちはどちらの大人になりたいのか、自分自身に問いかけずにはいられなかった。

悲しい結末になったこの物語だが、最後の場面でネロがルーベンスの絵を見ることができたことには、小さな救いを感じた。ネロの純粋な夢は、形は違えど叶えられたのだ。それは私たちに、どんな状況でも希望を持ち続けることの大切さを教えてくれているように思う。

『フランダースの犬』は単なる悲しい物語ではなく、私たちが日常で忘れがちな大切なことを思い出させてくれる作品だ。愛と友情の尊さ、夢を追い続ける勇気、困難に立ち向かう誠実さ——これらは時代や国を超えて、人間として大切にすべき価値なのだと改めて感じた。

この物語に出会えたことで、自分の周りの人たちや環境をもっと大切にしようと思った。そして、たとえ小さくても、自分の夢を諦めずに追い続けていきたい。ネロとパトラッシュが教えてくれたことを、これからの人生で実践していくことが、この本に対する最高の敬意になるのではないかと思う。

『フランダースの犬』はどんな人向けの小説か

『フランダースの犬』は幅広い読者に感動を与える作品ですが、特に以下のような方々におすすめです。

  • 純粋な友情や絆の大切さを感じたい方
  • 夢を持つことの意義について考えたい方
  • 困難に立ち向かう勇気について学びたい方
  • 感受性豊かな子どもや若い読者
  • 社会問題や人間の本質について考察したい方
  • 芸術や文化に興味のある方
  • 心に響く感動的な物語を求めている方

この作品は児童文学として書かれていますが、そのテーマの深さから大人が読んでも大きな感銘を受けることができます。

特に子どもの頃に読んだ後、大人になってから再読すると、また違った側面から物語の魅力を感じることができるでしょう。

『フランダースの犬』と類似した内容の小説3選

『フランダースの犬』を読んで感動した方におすすめの、テーマや雰囲気が似ている作品を紹介します。

それぞれが異なる文化背景を持ちながらも、人間や動物の絆、社会問題、純粋な心について描いている点が共通しています。

アンデルセン『マッチ売りの少女』

デンマークの作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンによる短編童話です。

貧しい少女がクリスマス・イヴに寒い街角でマッチを売るも、買い手がつかず、寒さの中で命を落とすという悲しいお話。

『フランダースの犬』と同様に、クリスマスを舞台にしており、貧困や社会の冷たさがテーマとなっています。

主人公が純粋で無垢な心を持ちながらも悲劇的な結末を迎える点も共通していますよ。

両作品とも、読者の心に強く訴えかける力を持っています。

ディケンズ『オリバー・ツイスト』

イギリスの作家チャールズ・ディケンズによる長編小説です。

孤児オリバーが過酷な環境の中で成長し、善悪の狭間で生き抜く姿を描いた物語。

『フランダースの犬』のネロと同じく、主人公オリバーも幼い孤児であり、社会の冷酷さや貧困に直面します。

しかし、どんな環境でも善良な心を失わない主人公の姿勢は両作品に共通しています。

ディケンズの作品は社会批判の側面も強く、より広い視野で19世紀の社会問題を描いていますよ。

宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』

日本の作家、宮沢賢治による童話。

不器用ながらも努力するセロ弾きのゴーシュが、夜ごとに訪れる動物たちとの交流を通じて成長していく物語です。

『フランダースの犬』と同様に、動物との絆や芸術(音楽)への情熱が描かれています。

主人公が自分の夢に向かって努力する姿や、純粋な心で周囲と接する姿勢も共通しています。

ただし、結末は『フランダースの犬』とは異なり、ゴーシュの成長と成功が描かれている点が特徴です。

宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』のあらすじを短く簡単に
宮沢賢治の名作『セロ弾きのゴーシュ』のあらすじを、簡単で短いものから詳しいものまで解説。主人公ゴーシュの成長や動物たちとの交流、音楽の力をテーマにした感動的な物語の読書感想文の作成に役立つ3つの重要ポイントも紹介します。

振り返り

『フランダースの犬』は短い物語ながら、読む人の心に深く響く名作です。

ネロとパトラッシュの純粋な友情、夢を追い続ける勇気、困難に立ち向かう姿勢など、現代に生きる私たちにとっても大切なメッセージが込められています。

読書感想文を書く際には、これらのテーマを中心に、自分自身の経験や考えと照らし合わせながら書いてみると、より深みのある感想文になるでしょう。

また、この記事で紹介した類似作品も併せて読むことで、『フランダースの犬』の魅力をより多角的に理解することができるかもしれません。

物語の結末は悲しいものですが、そこには人間の本質や社会のあり方について考えさせる深い洞察が含まれています。

この機会に『フランダースの犬』を読み、その感動を自分の言葉で表現してみてください。

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